(やまぼうし)『治療院訪問』今回は札幌市西区西野9-5 東洋はり医学会札幌支部の中でも大ベテランの先生の「河田(かわた)治療院」をおたずねしました。<案内図> JRバス 地下鉄発寒南駅から平和の滝行きバス停「西野9条5丁目」「河田治療院」の目印は、「JRバス・地下鉄発寒南駅~平和の滝」の西野9条5丁目バス停です。閑静な住宅街の一角に位置しています(案内図参照)。この地に河田修平先生・厚子先生ご夫妻が自宅で開業されたのは、平成13年10月とのこと。今年で12年目になります。河田修平先生 1940年代生まれ 鍼師・灸師・マッサージ師の国家資格河田厚子先生 1950年代生まれ 鍼師・灸師・マッサージ師の国家資格約6坪の治療院には二台の診療ベットが置かれ、カーテンで仕切られています。室内がとても清潔に整えられているのが印象的なご夫妻のお仕事場です。当日は厚子先生がお忙しく、お話は主に院長の河田修平先生にうかがいました。当地に開業する以前の昭和61年に東洋はり医学会札幌支部に入会されて、以来30年弱に及ぶ経絡治療の学術研鑽を積んでこられたと伺いました。“実力”を磨いて地域の信頼を蓄積されてこられました。根っこには河田先生の研究熱心さがあるものと納得!患者さんの年齢層は幼児から高齢者まで幅広く、最高齢の方は92歳のご婦人で、平成13年の開業以来通院されておられるそうです。当院を信頼されているんですね。院長の修平先生は経絡治療による鍼治療中心、厚子先生は電気療法とマッサージというふうに、役割分担しています。どのような要望にも応じられる体制をとっておられるのも患者側としてはありがたいですね~。河田修平先生の治療の特徴は東洋はり医学会の手法によるもので、鍼の痛みやお灸の不快な熱さを感じさせない気持ちの良い治療に徹しています。「河田先生のハリを受けて、初めてハリが痛くないことがわかった…」という患者さんも多く、家族中で安心して通うのもうなずけます。(写真左から:温灸器、鍉鍼10㎝、鍉鍼6㎝、円鍼)鍼(はり)は患者さんに優しい細い鍼を用います。直径0.16mmの銀の1番鍼か、直径0.18㎜の銀の2番鍼が中心で、更に病態によって、円鍼(えんしん)、鍉鍼(ていしん)、へら鍼、温灸器などを使用し、心地よい治療を目指しておられます。患者さんの症状として多いのは、肩こり・腰痛です。他にうつ症やノイローゼなどの神経・精神の症状、更年期障害・生理痛・月経不順・冷え症などの女性特有の症状、前立腺肥大・耳鳴り・慢性的な難聴など年配者に多い症状などを訴えてこられる方々が訪れています。河田先生は問診をていねいに行うことをこころがけていますが、「初診料=無料」という患者さんにとっては嬉しい診療システムをとっています。(訪問後記)河田修平先生を前にすると、こころが和らぐのはどうしてでしょう?剣豪宮本武蔵が現代に生きていたら、河田先生のような「気」に満ちた、「肩の力を抜いた」自然体ですべてを受け止めるような・・・「鍼(はり)の使い手」だったかも知れない。そう思えるような「古武士」然とした魅力を感じるのは私だけではないでしょう。河田先生はお若いころテレビのメカニック技術者をやっておられたとのこと。目のご病気になり、視力をうしなわれて、41歳のとき鍼灸・マッサージ師の国家資格をお取りになって現在に至るということです。専門学校のときから、「資格を得るだけではなく、治療の柱になる技術を勉強したいと思っていた」というプロ意識をお持ちの方です。河田先生の雰囲気は、この探究心の持続によって、磨きあげられたものかと想像しました。心成しか自分の背筋がピンと伸びたような気がして「河田治療院」を後にした午後の炎天下でした。 (石川幸康) (雨にほほえむ薔薇)
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