俺ってすごい頭がボサボサなのよ。天然パーマっていうのかな、昔はもっとボサボサで、周りからはライオンって呼ばれていたよ。聞いてもいないのに過去をいきなり語り出すオオカミ担当のライオン飼育員。ほんのちょっとだけ、小泉元総理に顔が似ています。オオカミが好きならぜひ朝イチに来てくれ。と言われ、朝のミーティングが終わった午前9時。小泉元総理に言われたとおりエゾシカ・オオカミ舎に向かいました。展示場には、昨日からオオカミがしたウンコでいっぱいです。展示場のウンコ掃除をするためには、展示場にいるオオカミをいったん部屋に収容しなければなりません。しかし、オオカミもせまい部屋に入るのが嫌なのかなかなか入ってくれません。(手に持っているオレンジ色のリングで檻を開け閉めしています)そんなときは、飼育員が屋根の上などにのぼってみると、いつもいないところに人がいるのにびっくりするのかすんなりと部屋に入ってくれます。部屋に入った後は、オオカミたちを別の展示場に放します。その間にウンコ掃除をするというわけです。ウンコ掃除はもちろんですが、窓ふきやプールの掃除も行います。そして、最後にエサかくし。少しでもエサを見つける楽しみを作るため岩の下を掘ってエサを隠したりもします。オオカミたちも爆発的なスタートダッシュでエサを探し出して食べ始めます。早すぎて写真を撮ることができません。一息ついたので、ここから円山動物園の純一郎が語りだします。仕事で一番大変なのは、ウンコ掃除ではない。健康状態の管理だよね。朝にウンコ掃除をするのはウンコで健康状態がわかるから。軟便とかをしているとほんっとに心配する。動物に何かあってはたいへんだから一日一秒を悔いのないように作業している。飼育員はみんなそう思って作業しているはず。そうやって意識して作業することは大切なことだと思う。この仕事をやってて一番うれしいのは、やっぱり繁殖だよね。子どもが産まれるのは本当にうれしい。でも、反対に動物が死んでしまうのは本当に悲しい。動物が死にかけたとき、獣医が必死に心臓マッサージをしてくれて、手伝ってって言われたけど、となりで悲しくて泣いてしまったんだ。泣きながら手伝ったんだけど、みんなからは、割り切って仕事しなきゃいけないって言われたよ。でも、どうしても感情移入してしまうよね。動物がお嫁に行くときだって泣いてしまったよ。この仕事をしていて、動物たちに新しい命が生まれることや死んでしまうことで、命の大切さを思いしった。それをみんなにも伝えたいんだけど俺、口下手だからなかなか伝わらないんだよね。そうそう、俺ってどちらかっていうとオオカミとかの犬より猫のほうが好きだから。・・・イヤイヤ、途中までけっこう感動的な話だったんですが。。。感動的な話を笑いに変えることができる。純一郎もまっさおの巧みな話術です。。そんな話術が炸裂するドキドキ体験オオカミのエサガイドは、ホッキョクグマの「キャンディ」が妊娠しておりマイクなどが使えず静かにしなければならないため、しばらく封印しています。封印が解けるのは春先でしょうか。桜の季節が待ち遠しいです。外で話を聞いていて寒くなったのでおそらく日本で一番くさくてあったかい熱帯動物館へ。でもこのにおいをかぐと、なぜかわからないですがなつかしいにおいがします。私だけでしょうか。でも、昔はこの建物の2階にレストランみたいなものがあったのだとか。昔の人って、やっぱりすごいですよね。もの思いにふけっているとマサイキリンの登場です。ふと隣に目をやるとやさしい顔をしたエランドとすごい形相のダンディ飼育員がいました。それでは今日もイケメン飼育員のスマイルでお別れです。シーク・イーン!!
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