たまたま知り合った方から『ケニアにホテルをつくるから庭造りを担当してくれないか』と言われたときは正直いって迷いもありました。アフリカのサバンナの真ん中に世界一のホテルを建てたいという話を聞くうちに、その途方もない夢を一緒に見たくなって、91年にポンとこの国へ飛んできてしまったんです。 ホテルの建設現場は、当時はまだ何もない荒涼としたサバンナだった。そこに３畳ぐらいの掘っ立て小屋を建て、ベッドと机、灯油コンロだけを持って単身住み込み、マサイ族の人々と庭造りを進めるうちに、少しずつこの国に惹かれていきました。アフリカの風景の壮人なスケールにも、マサイ族の人々とのシンプルな生活にも。
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